社長(増田)がジャンルにとらわれず不定期に更新していきます

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インドのバンガロールに出張

2023年12月

バンガロール国際空港
  先月末から一週間、インド南部のハイテク産業の中心地であるバンガロール市を訪問した。不運にも直行便が取れずクアラルンプール経由となったため、成田から15時間の長旅となった。
到着したバンガロール空港は今年9月に開港したばかりのできたてほやほや。とても環境を意識したすばらしい空港だ。到着ロビーでは、弊社の代理店であるE社の社長が出迎えてくれた。
気温は37℃、真夏だ。

木材を基調とした空港ロビー
 10年ほど前、デリー・アグラ・ニューデリーを訪れたことがあるが、ここバンガロールは初めての訪問だ。
この地はIT企業の集積地でアメリカのシリコンバレーや中国の深圳のような位置づけらしい。 日本との時差は3.5時間、通貨はルピー、1ルピーは約2円。高速道路を1時間ほど走り代理店の事務所へ。高速を降りるといきなり渋滞。東南アジアと同様、オートバイや3輪タクシーのトゥクトゥクも多い。交通ルールはほとんど有って無きがごとしで、センターラインをまたぐのは当たり前。少し隙間があれば我先に突進。時折逆走してくる車やバイクがあっても誰も怒らない。
街はゴミゴミしていて埃っぽく、あちこちの空き地にはゴミが捨てられて山になっている。道すがら何頭かの牛を見つけた。12年前はノラ牛が多かったが、今回は繋がれていた。(笑) 国民の80%を占めるヒンドゥー教徒にとって牛はシウァ神の使いであるとともに、特に牝牛は人々に乳をもたらす神聖で清浄な動物だ。しかるに牛を殺すこと自体、人間が犯すもっとも重い罪にあたるのは当然で、食べるなんてもってのほか。豚肉もヒンドゥー教徒やイスラム教徒の戒律で食べることは禁じられているが、豚がタブー視される理由は牛の場合とは真逆で、豚は排泄物をも食べる穢れた動物であるがゆえだということだ。それもあってかベジタリアンが多いようだ。
宿泊するホテルはとてもきれいで規模も大きいがルールが存在しない。タオルの数が日によって違っていたり、置き場所が変わっていたり。足ふきマットがあったり無かったり。

インドの平均年収は160万円~180万円と言われているが、100万円を下回る方もいれば1,000万円を超える富裕層もたくさん存在する。世界5位のGDPを誇るが経済格差は大きいようだ。インドの物価は日本の1/4程度なので年収300~400万円の収入があれば、かなり裕福な暮らしができるらしい。しかし、カースト制度(社会的身分制度)が残っているため、貧困層は一向に貧困層のままのようで、今後の大きな課題らしい。

 2日目に訪問した製紙会社の研究所は、広大な敷地にいくつもの研究棟が立ち並んで400人の研究者が常駐しているという。驚いたのは緑が多く、鳥がさえずり、小川が流れている。これほど環境を大切にしている企業は日本でも見たことが無い。この会社から大きな商談が舞い込んでいるので、来年が楽しみだ。

 3日目は8時に出発し、200Km離れたクラマサナパールという町にある企業を訪問した。その会社に納品したスーパーマスコロイダーの試運転をするためだ。社員60名ほどの中小企業で研究開発用に購入していただいた。往復の高速道路で珍しい光景を目にした。高速道路だというのに人が歩いている。隣町に仕事に行くの?と聞いたところ、「苦行」を行っており、300Km離れた寺に行くのだという。インドの苦行は有名で、40年間右腕を上げたままとか、左足だけで立ったまま30年とか・・我々日本人にとっては理解不能だ。

 4日目は朝5時に出発し、350Km離れたチェンナイに行く予定だったが、警報級の大型ハリケーンの上陸でチェンナイ市全域が洪水に見舞われたため急遽中止となり、リモート会議を行うことになった。往復10時間の電車移動の予定で正直気が重かったので、助かった。

ワールドトレードセンター
 5日目はお客様の都合がつかなくなり市中のワールドトレードセンターに隣接するショッピングセンターの見学をすることになった。センター内のフードコートにあるインド料理屋でランチを摂ったが、これがびっくりするほどの量で食べきれない。インド人の大食漢には驚かされた。

食べきれないインド料理
 6日目の夜の便で帰国の途に着く私だったが、空港に向かう1時間ほど前にお客様が2人お越しになり、商談開始。大型機を複数台、しかもすぐに欲しいという。受注生産なので数ヶ月かかると何度言っても聞く耳もたず。すぐに!すぐに!!を連呼。嬉しい話ではあるが、納期だけはどうにもならない。
果たしてどうなるやら。大型受注になるか、、、とても楽しみだ!

 

 こんな感じのドタバタ出張だったが、インドという国が我々にとって夢のある市場であることを肌身で感じた旅だった。きっと来年は何度も訪印することになる、、、そんな予感がする。今後が楽しみだ。その後急ぎ空港に向かい、再び15時間の長旅を経て無事帰国することができたのはよかったが、私が愛用してきた旅行バッグがボロボロになってコンベアから出て来たのはとてもショックだった! いくつも穴が開き、キャスターや伸縮ハンドルは破損、とにかく無残な姿だった。
後で知ったことだが、インドの「荷物の取り扱い」の悪さは定評があるらしい。いくら空港が新しくなっても、そういったサービスの品質を向上できなければ真の成長には繋がらないと思った。